●国際基督教大学博物館/東京都三鷹市大沢3-10-2

「サステイナブル 物のいのちを考える」
2025年 9月 9日 – 2025年 11月 7日
<企画展の案内より>一部引用
「小豆あずき三粒包める布は捨てるな」と、古裂(ふるぎれ)一枚、屑糸一本無駄にせず再利用していた暮らしを想像できるでしょうか。破れれば幾重にも継を当て、刺し縫いで補強した着物。布片を何枚も接合わせた布団皮。擦り切れた木綿は細く裂き、短い残糸は繋いで機にかけ、再び布に蘇らせました。
こうした徹底したリサイクルやリユースの手間と工夫は、大量生産が浸透する以前、生活のあらゆる面で発揮されていました。
近年では、繕を重ね何世代にもわたり着回した襤褸ぼろ(らんる)が、海外でもBOROとして脚光を浴びています。一方で、端裂(はぎれ)には古来より人知の及ばない力が宿ると信じられ、布を寄せ集め継合わせて仕立てた着物に、幼子の幸せを託す風習が日本各地にありました。
湯浅八郎は「慎ましやかな生活が生んだものに、美しさがある驚き」と、自らの愛蔵品のひとつである屑織(くずおり)の背景にある精神の豊かさを高く評価しました。物の価値は時代によって変わることがあるでしょう。しかしその尺度とは別のところに物の生命はあるのではないかと、資源を最後まで大切に使い切る先人たちの営みは問いかけてきます。

布の迫力がすごかったです。作り手と使い手の思いがこもっていて美しい。

・寄裂袋/祝儀・不祝儀に際して贈答用の米や穀物を入れて持参するための袋。縞や絣など大切にとっておいた小布を接ぎ合わせた手製の袋に入れることにより、精一杯の心尽くしを表したという。





