山鹿市/蚕神社と島已兮の墓

●蚕神社/熊本県山鹿市鹿央町合里

九州滞在中にGoogleマップで見つけて寄ってみました。


蚕神社の左手の斜面には、不動明王とお大師様かな。


蚕神社についてはなんの説明もありませんでしたが、手前の島已兮(しまいけい)の墓は、山鹿市指定文化財。
山鹿市教育委員会の解説版によると、江戸時代後期、「かいこの神様」と呼ばれ、肥後の養蚕業の普及発展に貢献した志賀半右衛門親氏(隠居後、島已兮と名乗った)のお墓だそうです。

下米野に住んで、養蚕機織をしていたのを堀勝名に見出されて藩公の命をうけて、宝暦11年(1761)12月から翌年6月まで京都を中心に機械業先進地をめぐって、技を磨き帰国後、養蚕並びに織絹方主任を仰せられて、広く肥後各地を巡回して、その指導にあたり非常に大きな功績があり藩よりもたびたび賞をうけた。
寛政8年(1796)12月2日、75才で没した。
と説明があります。


説明版のすぐ隣には、島已兮の顕彰碑も建てられています。

山鹿市のサイト内に「近代の山鹿の偉人たちシリーズ」(PDF)がありますが、そこに島已兮のことはありませんでしたが、「熊本県の近代糸業の開祖 長野濬平」があり、その中に島已兮のことがちらっと出ていました。そこから一部引用します。

「熊本では、江戸時代中期に、名君といわれた細川重賢により養蚕が奨励されたことがありました。また、この地方には「蚕の神様」といわれた島已兮(鹿央町下米野)が、藩の命をうけて肥後の養蚕の普及に努めたことがありましたが、その後は次第に衰退していました。そのような状態にあったので、濬平は養蚕富国の考えを発表したのです。」


蚕神社やお墓の裏をぐるっと取り巻く岩の手前には「山鹿市指定文化財 下米野横穴墓群」の説明版が立ち、「まだ調査されていないが、古墳時代後期の墳墓である。この中には墓室の床面を四区に区切ったものや、天井には細長い彫りこみをつけたものなどがある。」の説明がありますが、お墓はその横穴のひとつを使っているような気もしました。

 

●熊本県立装飾古墳館/熊本県山鹿市鹿央町岩原3085


おまけです。
すぐ近くに熊本県立装飾古墳館があります。古墳はあちこちでたくさん見ましたが、装飾古墳というジャンル(?)は知らなかったのと、熊本県立ということで、寄ってみました。素晴らしい展示で興味深く見てきました。
そんな中で、展示の中に「蚕養」の文字があったので、養蚕とは関係あるかはわかりませんが、写真だけ撮ってきました。


古代律令社会の駅伝制により敷設された駅路や伝路などの道路網。『延書式」によれば、熊本県北部を通る駅家は、「大水。江田。・・・高原。蚕養。・・・」の名がみられ、「蚕養(こがい)」は熊本市中央区子飼にそれぞれ比定されている、という説明でした。
(大澤)

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