●水使(みづし)神社/栃木県足利市五十部(よべ)町1235

境内社「機神宮」 祭神:天羽槌男命
銘は未確認、江戸期じゃないかな?
機屋などで働く女性たちがお参りしていたのでしょう。
さて、本殿の案内看板より。
「水使神社(みずっさま)」
祭神:イソ女水使権現
創建:永徳年間(1381~1384)
由来:出流原弁財天の申し子、イソが成人し、子どもが生まれたが、不幸にして子どもは近くの渕で溺れ、泳げないのに助けようと渕に飛び込み、親子ともに亡くなってしまった。その後、この渕で度々異変が起きて困っているところ、土地の豪族五十部(いそべ?)小太郎の夢枕にイソを水使権現として祀れとのお告げがあり社を建て供養した。田の神としても祀られ、また花柳界の信仰も厚い。
栃木県神社誌によると、
観応2年(1351)創建で水の神「水波能売命(みずはのめのみこと)」を祀る。地元の豪族五十部小太郎の下女で、近くの渕で入水自殺したイソの霊を祀ったともいわれ、花柳界の女性らから婦人病に霊験があると信仰された。
弁財天系女神様ということか。

絵馬がたくさん奉納されている。
飯櫃を抱えて杓文字を持って背景に鳥居という謎の神様は、「田の神さま」っぽくもあるけど、辨財十六童子のうちの「飯櫃童子」のイメージなのかな。
赤い前掛けは、実は腰巻きじゃないかと。

安産・子授け祈願のお礼参りなのか、「涎掛け」奉納がどっさり。

境内には「宝物堂」もあって、陰陽物がいろいろw
縁日には、どーんとお披露目されるらしい。
●大手神社/栃木県足利市五十部町375
手を描いた絵馬がたくさん奉納されている。

祭神が天手力男命(あめのたじからおのみこと)で、
「その故事にならったものなのか、手の力を強くしたいとか、機織りや糸繰りなど手先の技術があがるようにと願う人、手に関する病気も治るといわれ大変賑わったという」「願い事が叶ったり、病気がよくなると、お礼として、手首や手形の絵馬をあげる風習がある」
(「足利の伝説」より)
「この地方は織物機業の盛んなところで、機織上達・手芸上達は女たちには大事であって、その上達を願ったものや、手の使い過ぎからリュウマチ・神経痛にかかることも多くて、その平癒を願ったものも多かったのである」
(「日本人の生活と文化 11」より)

拝殿の妻部に掲げられた絵馬は「機織り関係者の絵馬」(「ふるさとの心 : 民俗から見た栃木県人」より)とされている。奉納者の名前も見えるけど「関係者」なのだろう。

奉納者の明確な記録は見つからなかったけど、「棱(杼)」の絵馬もあるそうなので、機織工女によるものかも。
周辺地域は機屋だけでなく、染色・撚糸などの業者も多かったようだけど、ざっと見たところ、ノコギリ屋根の染色工場が1か所あっただけ。天窓は直射日光が入らないように北向きで設計されている。
かつては、水車撚糸の「ヨリヤ」も列をなしていたという。(気配も残ってない~)







